タヒチの正式名称は「フランス領ポリネシア」。堪能しましょう、フランス料理とポリネシア料理の融合を。とはいっても、食事の基軸は王道のフレンチ・テイスト。「ポリネシア風」はタヒチでの食事のエッセンスのようなもので、基本的にはフレンチ・スタイルとなります。タヒチでの食事はどこでもおいしく、ひたすら魅惑的で、日本の方のテイストにぴったりです。
ザ・パン。
タヒチはフランス領という事で、食事は人々の生活において最も重要な要素のひとつ。タヒチの食事はどこで何をいつ食べてもおいしいです。旅行でタヒチに行く場合、当然ホテルでの食事が多くなると思いますが、ホテルのレストランでの食事も大変素晴らしいものです。中でも「パン」、特に朝食時のパンのラインナップと美味しさは特筆すべきものです。朝からおいしいバゲットとハム、サラダ、旬のフルーツとオムレツでお腹いっぱいです! 勿論、美味しいカフェオレと共に! パンはバゲットだけでなくクロワッサンやパン・ショコラ、たくさんの種類がありますので、食べ過ぎにご注意を!

ホテルのパンもおいしいですが、街中で買うパン(ローカルが買って食べるもの)もめちゃくちゃおいしい。首都パペーテのマルシェやパン屋さんに立ち寄る機会があれば、是非トライしてみて下さい。バゲットに様々な食材をはさんだ「カスクルート Casse-Croute」と呼ばれるサンドイッチも色々な場所で売られています。鉄板の「ハム&チーズ」や「ツナサンド」に加えて、「焼きそばパン」などもあり、みなそれぞれ美味しい。タヒチ滞在中に是非召し上がってみて下さい!
ホテルでの食事。
旅行でタヒチに行けば、当然ホテルでの食事が多くなります。ツアーによっては朝・昼・晩の食事のうちいくつかが既にツアー料金に含まれている場合もあるでしょう。いずれにしても滞在中ホテルのレストランでの食事の回数は多くなります。でもご安心ください。欧米のセレブや富裕層が多く訪れるタヒチは、ひとつのホテルに滞在しても飽きないようメニューが豊富。ホテルによってはレストランが3つ以上あるものも珍しくありません。その時の気分や体調に応じて、食べたいと思うものを自由に楽しみましょう! 日本語のメニューを用意しているホテルも多いので、この点も安心です。もし、日本人スタッフのいるホテルに滞在されるようであれば、是非お勧めの料理情報をゲットしましょう。ホテルによっては近隣のレストラン情報も併せて案内してくれますよ!
ホテルでの朝食はビュッフェスタイルのホテルが多いです。朝食が宿泊料金に含まれているホテルも多くあります。席に案内されたらまずコーヒーや紅茶をオーダーし、ゆっくりとどんな料理があるか一回りして眺めてみましょう(パンの種類の多さにびっくりするはずです!)。まず一皿目は是非タヒチの美味しい果物とジュースから。新鮮なマンゴー、パパイヤ、バナナ、パイナップル、オレンジ、グレープフルーツ、ドラゴンフルーツ、ライチなど、その時々の旬の果物が氷の上にどっさりと並べられています。特に【モーレア島】で収穫されるパイナップルは絶品ですので、是非トライしてみましょう。コールドミールと呼ばれるハムやチーズ、ヨーグルトに加え、ソーセージやベーコン、スクランブルエッグ等のホットデッシュもあります。いずれもおいしそうな料理ばかりなので、取り過ぎには注意です!

ランチはホテルのレストランに加えプールサイドなどでもオーダーすることができるホテルもあります。ハンバーガーやサンドイッチ、パスタ、ピザなど、一般的なランチメニューが網羅されているはずです。日本語のままの名前で「サシミ(Sashimi)」というメニューがありまして、こちらはマグロ等のお刺身を「タヒチ風のソース」で食べるのです。日本の方はこのソースを警戒して「お醤油ありますか?」となるのですが、このソースめちゃくちゃおいしいのでまずは騙されたと思って是非トライしてみて下さい。お店によって違うのですが、ウスターソースに醤油やニンニクやマユネーズ(お店によってレシピが異なる)が混ぜてあって、タヒチのあっさりとした脂ののっていないお刺身にピッタリなのです。バゲットに挟んで食べてもおいしいです。美味しい朝ご飯を多めに取ったなら、ランチはスキップしても構いませんよ!

タヒチのディナーは勿論最高、フランス料理の王道を満喫できます。セットメニューやアラカルトから選択できます。前菜のお勧めは新鮮なマグロのをアジのタタキ風にアレンジした「タルタル・ド・トン(Tartare de Thon)」。どこで食べてもまず外しません。
メインのお勧めは色々ありますが、王道は「ステーキ」や「鴨のコンフィ」「季節の魚のグリル」といったところでしょうか。ステーキはさすがフランス領、どこでどんなものを食べても大体おいしいです。タヒチ産の牛肉はなく、ほとんどがニュージーランドかチリからの輸入品ですが、どちらの国のお肉もすごくおいしいのでご安心を。部位はいわゆるリブアイ「オントルコッテ(Entrecote)」が脂と赤身のバランスが良くておいしいです。普通に400g 位のお肉が出てきます。レストランによっては「フィレ(filet)」も楽しめます。お肉を注文する際にひとつだけ注意点。フランス領なのでお肉の焼き方は比較的「レア目」で出てきます。無難な頼み方は「ミディアム」。日本のミディアムレアより、ややレア目で調理されてきます。レアがお好きな方は良いですが「全く駄目」という方は「ウェルダン(ビアンキュイ)」でどうぞ。レストランによってはステーキでフォアグラを挟んだ(乗せている場合も)「ロッシーニ風」のステーキもありますよ。

フランス領という事で鴨もおいしいです。油でゆっくりと火をを通す「コンフィ」はとろける柔らかさ。「鴨肉のソテー」ももちろん鉄板ですし、フォアグラは冷製でもソテーでもおいしいです。タヒチ島滞在中に時間があったらパペーテの大型スーパーマーケットに行ってみましょう。フォアグラ・コーナーに行くと日本のスーパーマーケットを軽く凌駕する量のフォアグラが売っていてびっくりしますよ。勿論チーズもね。グルメなローカルが多いタヒチ。スーパーマーケットにある食材の豊富さは特筆もので、ハワイのそれより充実しています。

「マグロ」や「カツオ」「マヒマヒ(シイラ)」等を使った「魚のグリル」もほぼすべてのレストランで食べられるので、日本の方は注文しやすいのではないでしょうか。お魚は新鮮ではありますが南の島の近海ものなので、結構脂が控えめでさっぱりしています。そこでソースやスパイスで味付けしたものを食べるわけですが、個人的にはちょっとあっさりしすぎているなぁと感じることがあり、魚の場合はお刺身系が気に入っています。
タヒチの食事はいずれもボリューミーなので、小食の日本人のカップルの方であればディナーの一部はシェアしても良いかも知れません。
ディナーの際にひとつ気を付けて欲しいのが服装です。タヒチは常夏ですから夜でも一年中暖かいのですが、たまに若いカップルが「Tシャツと短パンにサンダル履き」で夜レストランにやってきます。タヒチのディナーは皆オシャレをして出掛けるので、男性は襟付きのシャツ(アロハやポロシャツ等でもOK)に長いパンツ、女性はサマードレスなどをお召し下さい。ランチタイムはカジュアルで構いません。
これを食べずしてタヒチを語るなかれ。『カヌーブレックファスト』。
タヒチと言えば「カヌーブレックファスト」という位、人気の朝食です。このサービスを受けたいが為にタヒチを旅行先に選んだという人もいます。朝目が覚め夢のように美しいラグーンを目の前にした目映い陽射しの中、採れたての新鮮な果物や焼きたてのパンやクロワッサン、カフェオレ等が花々で飾られたトレーに載せられ、美しく海に突き出した水上バンガローのバルコニーにタヒチ伝統のカヌーで届けられる贅沢さ…。究極の贅沢な旅がこの一瞬に凝縮されています。
このサービスは当然ですが、バンガローやコテージタイプの『海の上にあるお部屋』でしか受けることの出来ないものです。ホテルの朝ご飯、通常はホテルのレストランで食べますよね。でも、女性にしてみると、朝起きてから顔を洗ったりシャワーを浴びたりして、髪の毛を乾かしてお化粧をして…と、結構時間がかかって面倒です。でもカヌーブレックファストなら、食事がキレイにバルコニーのテーブルに並べられるまで、ベッドの中でまったり微睡んだりする事ができます。朝ご飯は美しい自然とラグーンを独り占め、心地良い貿易風がそよぐ以外誰にも邪魔されない朝食を気持ちの良いバルコニーで二人きりで楽しむことができます。

目の前に美しい山がそびえたつ奇跡のような景色の中、人生で最高の朝食をのんびり優雅にお楽しみ下さい。お酒が飲めるカップルにはハーフボトルのシャンパンがあってもイイかも知れませんね。
これを食べずしてタヒチを語るなかれ ②。『ポワソンクリュ』。
『ポワソンクリュ』とは、フランス語の Poisson Cru すなわち「生のお魚」という意味で、『タヒチ風魚のマリネ』になります。海洋民族として文化的にも魚を多く食べてきたタヒチアン。日本語の「刺身」をそのまま『Sashimi』と表記し、多くのローカルレストランでマグロのお刺身が供されます。中でも「ポワソンクリュ」は刺身に馴染みのない欧米人でも食べやすいようにサラダ風にアレンジされています。生のマグロにライムを搾り、玉ねぎやキュウリなどを加えてココナッツミルクであえ、塩胡椒で味を整えたシンプルな味付けです。ホテルやレストラン、ピクニックツアーなどで食べる機会があるでしょう。
ココナッツの豊富なタヒチでは料理にココナッツミルクを使用することがあり、日本の方は「甘ったるいのではないか」と敬遠されますが、実際にはこのココナッツミルク自体には甘味は余りありません。むしろあっさりとした風味で食べ物にまろやかさを加える程度です。「ポワソンクリュ」はきっと日本の皆様のテイストに合うはずですので、タヒチ滞在中は是非トライしてみて下さい。
「ポワソンクリュ」にはココナッツミルクベースで味付けたタヒチ風のものと、中華風に甘酢を使って仕上げた「ポワソンクリュ・シノワ」の2種類があります。お店によって味も異なりますし、タヒチの気候にぴったりの料理ですので、ご自分のテーストに合ったものを探してみては?

至極の飲物もお忘れなく。
何と言ってもタヒチはフランス領。飲物へのこだわりも半端ではありません。お酒の飲める方は是非料理に合わせて様々なワインやシャンパンをお楽しみ下さい!

